朱雀が九品蓮台に逝きました。看取れました。
激しく動いていたお腹の振動がぴたりと静かになり、最期は喉だけが動作して名前を呼び掛けながら頭を撫でていたら、本当に、本当にふっ、と何か抜けたように朱雀は眠りました。永遠に。
声がでかいだけが取柄の私が今までで、一番だと思います、出したことのない声を発しました。
もう散歩する事のないリード、つける事のない首輪、そして
永久に入る事のない家。
モルヒネ打たずに頑張らせて良かったのか、打ってあげれば良かったのか、今でも考えてしまう私がいます。 名前を呼ばずも姿を捉えたら最期まで這いずって擦れて肉が見えようと私の傍らに寄ろうと近づこうとした朱雀。
私から朱雀に贈る言葉はあるのだろうか。
苦しくて恨んではいないだろうか。
私はまだ、後悔の波から抜け出すことは出来ません。
追い打ちかけるように秋田犬の映画ばかり放送されて魂抜ける思いです。